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    <title>貸し本棚</title>
    <link>https://www.kashi-hondana.com</link>
    <description>貸し本棚・小説更新情報</description>
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    <copyright>Copyright ©2026 Kashi-Hondana.</copyright>
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      <title>day12_謂はぬ色【朽ち無しの謂はぬ色】 - 【文披31題】</title>
      <link>https://hakotubu.kashi-hondana.com/author/page/3263/section/41987</link>
      <pubDate>Tue, 25 Aug 2026 13:36:00 +0900</pubDate>
      <description>一ヶ月限定・一日一題の執筆企画
箱庭地区の住人の一行日記とその詳細の記録</description>
      <content:encoded><![CDATA[　帰宅して郵便ポストを開くと、そこに入れられていたバラバラと何かの粒？　が零れ落ちてきた。虫の死骸のように見えて思わず後ずさったのだが、落ち着いて確かめてみれば植物の種子らしきものだった。嫌がらせか何かと思いながら拾い集めていると、種子の山の底から紙切れが現れた。「庭のクチナシの実だ。中で待つとお前は怒るから、ここに入れていくぞ」……クソ親父。だから、そういうところが嫌なんだ。
　部屋に戻り、改めてメモを見返すと裏面にも記載があった。
「謂はぬ色」
　以上。何なんだ、謂はぬ色って……。そういうところが本当にと思いながら、検索をかけてみた。
「……クチナシだからか」
　おおかた、初めは「謂はぬ色」とだけ書いたのだろう。後で思い直して付け加えたのが最初に見た文面だ。手紙の記憶を辿らなくてもわかる。思いやりがあるのかないのかハッキリしてくれ。それよりもこの実。染料になるらしいのだが、そういったこ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>衛生教育 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41986</link>
      <pubDate>Tue, 25 Aug 2026 13:16:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　朝の日課として養育施設を訪れたジンジェッドは、早くも起きているザイシュ、それにアズロスに軽く手を挙げた。ザイシュはぱっと顔を輝かせ、アズロスの手を引いて駆け寄ってきた。
「ジンジェッド様、おはようございます」アズロスはぺこりと頭を下げて挨拶した。
「アズロス、おはよう。ザイシュもおはよう」ジンジェッドも笑顔で挨拶して返し、これまた早く起きて窓辺でぼんやりしているルイスを一瞥した。「ルイスは何をしているのかな？」
「さあ？」ザイシュは全く訳が解らない、といった様子で首を傾げた。
「料理のことを考えているか、食べられる野草を眺めているか、どちらかだと思います」
　アズロスは僅か五歳にして、実にしっかりしている。ジンジェッドは二人の頭を優しくなでると、ルイスに近づき、屈んで目線を合わせた。
「ルイス、おはよう」
　ジンジェッドが声をかけると、ルイスは一刻遅れて我に返り、それからジンジェッド、つ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>宴会二席目 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41985</link>
      <pubDate>Tue, 25 Aug 2026 13:15:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　今宵は我らがかわいい才児の新たな人格が誕生して半月を祝う宴会である。前回、大人としての体裁だけは最低限保てたものの、我らがかわいい才児に『にょえぇーっ！』四連発を放たれてしまった以上、もはや『連日の騒動で疲弊しきった者たちの診察及び療養』などといった建前は抜きにして、潔く『宴会』と認めよう。今宵はいつもの呑み仲間と『我らがかわいい才児に乾杯！』と楽しむ日だ。
　今度こそ酔い潰れない。酒を呑んでも酒に呑まれない、それが模範となるべき大人の在るべき姿であり医師というものだ。間違えても二度と『医者の不養生』などと言われるわけにはいかない。酒席の醜態とはいえ、さすがに二度目を晒すわけにはいかないのだ。

　かくしてやってきた愉快な呑み仲間たちは、銘々『にょえぇーっ！』を披露した。ふむ。さすが侯爵様、正に我らがかわいい才児の『にょえぇーっ！』そのものだ。護衛長は小憎たらしさに磨きをかけ、より一層愛...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>類は友を呼ばず - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41984</link>
      <pubDate>Tue, 25 Aug 2026 13:14:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　新入りルイスはなかなかおもしろい奴だ。ランバートには敵わないが、いろんな料理を食器ごとぎゅぎゅっと詰め込んだような奴だ。どうにか友だちになりたい。どうにか興味を引きたい。でも、何をやっても沼に杭。こんな奴は初めてだ。余計に気になる。どうにか友だちになりたい。
「友だちって、どうなるの？」ザイシュはちぃ先生こと物知りな友だちアズロスに質問した。
「どう作るのか、という意味かな？」例によって一人で勉強しているアズロスは、ふと手を止め、ザイシュの言葉の意味を確認した。それ以外に何があるのか解らないが、ザイシュは合っている、と頷いた。「お互いが友だちになりたいと思って、『友だちになろう』と言って、お互いが承諾したら、友だちになれるんじゃないかな？」
　さすがちぃ先生、と感心しながら、ザイシュは窓辺でぼんやりしているルイスにしゅたっと駆け寄り、顔を覗き込んだ。ルイスは近づいてきたザイシュに気づき、...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>異母姉弟 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41983</link>
      <pubDate>Tue, 25 Aug 2026 13:13:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　天変地異の前触れか。はたまた我らがかわいい才児が籠絡したか。貴族の責務、礼儀作法、身分、立場、そういったことに厳格な息女が、我らがかわいい才児の小さな手を引き、昼食の席へ連れて来た。害虫の一匹を捕らえ、他二匹を捕らえる手助けをしたご褒美とは別に、今日はこれといってご褒美をもらえるような活躍はしていないはずだ。
　ワイアーメルは自らザイシュを父親の隣の席へ促し、自身はいつもの席に着いた。もちろん、ジンジェッドは一切口を挟まず、ただ呆気に取られ、幾分か納得できるところもあるといった様子で、自身の席に着いた。こうして、当主一家にザイシュを加えた昼食の時間が始まり、養育施設での食事よりも豪華な食事がザイシュに振る舞われた。食事マナーを教えろという意味かもしれないので、ワイジェッドはカトラリーの正しい使い方、食器の音を立てないこと等、細かく教えていった。この件に関して、ワイアーメルは特に口出ししな...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>面接 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41981</link>
      <pubDate>Tue, 25 Aug 2026 13:11:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ファルカンス侯爵家は、今、何度目かの激動の時を迎えている。

　|我らがかわいい才児《ザイシュ》が賊もとい害虫の一匹を倒し、最終的に三匹も捕らえ、逃げた一匹を追って巣を潰す傍ら、護衛の配置が見直された。|我らがかわいい才児《ザイシュ》は護衛見習いとして本格的に護衛鍛練を積むことになり、何故かそれに巻き込まれたご子息様は、いつの間にか護衛長の弟子となったらしい。
　その一方、若き養育士が弟の協力を得て素晴らしい名演技の中で逝去もとい天職に転職し、決して大人になることのない心を抱えた|我らがかわいい才児《ザイシュ》を傷つけることなく、『生』と『死』の概念を理解させた。若き命の最期の優しい輝きを、わたしは一生忘れられぬだろう。
　その若き養育士の葬儀を終えた日の夜、突然の訪問者に、わたしは帰るに帰れなくなってしまった。

　訪問者は十歳。名をルイスと名乗った。両親ともに亡くし、近隣の者によって...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>継承 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41982</link>
      <pubDate>Tue, 25 Aug 2026 13:11:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　貴族の務めは尽きぬもの。次から次へと仕事が増え、不平不満など口に上す暇があるくらいなら手を動かしたほうがよほど効率的だ。もちろん、他家との交流も疎かにしてはならない。お茶会の招待状。夜会の招待状。予定を考慮し、当家と他家との関係、今後の利益不利益等を判断し、すぐさまお返事を認めなければならない。参加するか否か。もちろん、いずれにしても失礼に当たらないよう、慎ましさを忘れず、丁寧な文面、美しい文字で。
　頭を使うと非常に疲れる。そう気づいた時には、当家の優秀な侍女がさりげなくお茶とお茶菓子を差し出してくれる。ワイアーメルは侍女へ微笑みかけて感謝の気持ちを伝え、お茶を頂き、休憩を取ることにした。

　ふと気が緩むと、涙腺まで緩んでしまう。若き養育士の訃報を聞いた時、耳を疑った。若すぎる。早すぎる。僅か二十三歳。出勤前に症状を自覚し、夕方には息を引き取ったという。しかも、歪な経緯で芽生え、大人...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>読ませて - ぺてんし</title>
      <link>https://petenshi.kashi-hondana.com/author/page/1322/section/41684</link>
      <pubDate>Tue, 25 Aug 2026 00:00:00 +0900</pubDate>
      <description>一話完結です。</description>
      <content:encoded><![CDATA[藤村　「えー、挨拶の言葉なんですが。私年とともに記憶力が衰えてまいりまして。申し訳ないんですが、事前に書いたものを読ませていただきます」

吉川　「そっちの方が素人が変なノリでやるよりも安心感があるな」

藤村　「えーと、本日は足元の悪い中……」

吉川　「ん？　雨、だったっけ？」

藤村　「あ、ごめんなさい。これは雨だった時用のやつでした。こっちが晴れてる時用でした」

吉川　「雨が降った予測とか両方書いてるんだ。律儀な人だな」

藤村　「うだるような暑さの中お集まりいただき……」

吉川　「そこまで暑くはなかったけど」

藤村　「そこまでじゃなかったですね。えーと、そこまでじゃない時用。２２℃から２５℃まで用のやつでいこうかな」

吉川　「そんな細かく刻んで用意してるの？　マメな人だな」

藤村　「お日柄もよく、晴天に恵まれ、晴れやかな門出にふさわしい日となりました。そんな中、お集まり...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>無題 - 雑詩</title>
      <link>https://sakura.kashi-hondana.com/author/page/2616/section/41977</link>
      <pubDate>Mon, 24 Aug 2026 19:20:00 +0900</pubDate>
      <description>日記がわりの気やすい詩。短歌も。とっても短い。</description>
      <content:encoded><![CDATA[
おい俺は楽になりたい鬱蒼と茂りやがってなんのつもりだ]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>マッサージ - ぺてんし</title>
      <link>https://petenshi.kashi-hondana.com/author/page/1322/section/41691</link>
      <pubDate>Mon, 24 Aug 2026 00:00:00 +0900</pubDate>
      <description>一話完結です。</description>
      <content:encoded><![CDATA[藤村　「頭皮マッサージのやつを買ったんだよ」

吉川　「頭皮マッサージの何？　電気のやつ？」

藤村　「シリコン出できたトゲトゲの」

吉川　「あー、みたことあるかも。結構トゲがデカいやつだ」

藤村　「いや、そんなにデカいかな？　閉じ込められた部屋で天井と一緒に降りてくるトゲトゲよりは全然小さいよ」

吉川　「そんなトゲトゲと比べるの？　実物の天井トゲトゲを見たことないよ」

藤村　「見たら、それを誰かに伝える前に死んじゃうからな」

吉川　「手で持つ石鹸くらいのサイズについてるトゲトゲだろ？」

藤村　「石鹸もどのくらいの使い加減によってかでサイズが変わるだろ。もうチビて新しいのに融合させようかなって石鹸もあるじゃん」

吉川　「わかるだろ、そんなことまで言わなくても。その融合する側の新しい石鹸だよ」

藤村　「でもほら、形とかもあるから。動物の形とか。ハート型とか。色も匂いもあるし」...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>天職 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41972</link>
      <pubDate>Sun, 23 Aug 2026 19:22:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　夕食時、正確には養育施設の夕食時間帯、ジンジェッドはウィリーに呼ばれて西塔へ向かった。家令補佐のカロトン、更には『我らがかわいい才児』の保護者たちも呼ばれたらしく、何事かといった様子で互いに顔を見合わせ、ウィリーが指定した部屋へぞろぞろと向かった。カロトンだけは無表情で前を見据えていた。
　隔離された病室の一つに入ると、点滴をつながれ、ベッドに横たわるランディの姿があった。いつも陽気で楽しい話を紡ぎ出す養育士は、胸を掴み、苦しそうに喘いでいた。その傍らに立つウィリーは、柔和な鉄仮面を着け、点滴の滴下をじっと見据えていた。カロトンが兄に駆け寄り、ベッドのそばで膝をつき、兄の手を握り締めた。ジンジェッドもかつての友人に駆け寄り、それでも成す術なく、苦しむランディと、どこか無機質な慈愛を湛えるウィリーを見比べた。
「ランディは急性の心臓の病気です。手を尽くしましたが、予後は芳しくありません」
...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>護衛鍛練 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41971</link>
      <pubDate>Sun, 23 Aug 2026 19:21:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　護衛の布陣提案とは別に、害虫を一匹捕まえたご褒美として、ザイシュはものすごく美味しい昼食を用意してもらった。侯爵様やジンジェッドと一緒に食事をできるのも嬉しかった。お嬢様がいたことだけが少し気になったが、お嬢様は以前見かけた時よりも優しい雰囲気で、失礼なことをしなければ大丈夫なようだった。侯爵様とジンジェッドの二人がかりで褒めちぎられ、鼻高々になったザイシュは、『是非とも護衛見習いに』という申し出をふた言返事で快諾した。
　昼食後、ジンジェッドに連れられて、ザイシュは初めて護衛鍛練道場に足を踏み入れた。既にギルベルトがおり、高い鉄棒にぶら下がって懸垂をしていた。やっぱりそういうところかぁ、とザイシュは少しげんなりしたが、いい汗をかいてすっきりしたといった様子のギルベルトに頭を掴むようになでられ、すぐに機嫌を直した。
「護衛見習いのザイシュです。七歳です。若輩者です」ザイシュは改めてぺこり...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>警備の穴 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41970</link>
      <pubDate>Sun, 23 Aug 2026 19:20:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ザイシュは屋敷の一室へ連れて行かれ、大好きな侯爵様と対面し、抱きしめられたので、遠慮なく膝に座って甘えた。ジンジェッドとギルベルトがそれぞれ報告し、ザイシュは間違っているところだけ訂正し、テーブルに広げられている屋敷の見取り図らしきものを観察した。
 それからふと気づき、侯爵様の膝を降り、ペンを取って印をつけていった。
「おい、勝手なことをするな」ギルベルトはそう注意し、手を伸ばしかけたが、ぴたりとその手を止めた。「それは今の護衛配置か？　全て覚えているのか？」
「穴だらけだよ。何を見張って、何を防ぎたいんだか」ザイシュは丸を描き込んだ上で、指で経路を示した。「ここからでも、ここからでも、こっちからでも、どうとでも、不法侵入？　し放題だよ。なんでこんな無駄な配置にしてるんだ？　ああいった輩ってよく来るの？」
「よく来られては敵わん」ギルベルトはため息混じりに答えた。「とはいえ、あれは単な...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>恩返し - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41969</link>
      <pubDate>Sun, 23 Aug 2026 19:19:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ケチャップで『ザイシュ』と名前が書かれたフワフワとろとろオムレツの幸せな味を噛みしめながら、ザイシュは師匠に言った恩返しについて考えていた。恩返し、恩返し――してもらったことを返すこと。それだけじゃ足りない。恩返し、恩返し――
「ねえ、ランバート」ザイシュはもむもむと食べながらお気に入りの養育士を呼んだ。
「ランディさんはお休みだよ」隣の席のアズロスがそう口添えした。
「なんで？」ザイシュは養育士の勤務状況を思い返し、今日は出勤だったはず、と考えた。
「ちょっと具合が悪くて、出勤前に西塔へ行ってウィリー医師に診察してもらって、伝染る病気じゃないかどうか経過観察中なんだって。傷病者がいる時の西塔には絶対に近づいたらだめだよ」アズロスはすらすらと答え、しっかりと釘まで刺した。
「なんで？」ザイシュはひたすらぱくぱくと食べながら聞き返した。
「もしも風邪なんかの伝染る病気だったら、みんなに伝染...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>師匠と弟子 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41968</link>
      <pubDate>Sun, 23 Aug 2026 19:19:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　宮中での連勤明けではあるが、ジンジェッドはいつもより少し早めに起き、身支度を整え、早速小さき友人に会うために、養育施設へ向かった。屋敷の東口から出て、養育施設の北側から小さな門をくぐり、その建物が見えてきて、今更、はたと気づいた。子供はまだ眠っている時間帯だ。
　ジンジェッドは引き返そうとしたが、養育施設の入口側から何やらひそひそと話し声が聞こえ、物陰に身を潜めた。養育施設に子供を預けに来た親なら、入口近くでひそひそと立ち話をすることなく、子供を養育士に託し、仕事があることを説明し、しばしの別れの時を惜しんでいるはずだ。不審者を想定し、ジンジェッドは懐剣を探り、そっと入口のほうを窺い見た。
　話し声の主は、不審者どころか、当主ワイジェッド、護衛長ギルベルト、専属医師ウィリーだった。幼い息子がいる家令アジアードだけは早めに出勤してはいないようだが、『我らがかわいい才児』と溺愛するザイシュの...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>夜更けの訪問者 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41967</link>
      <pubDate>Sun, 23 Aug 2026 19:18:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ファルカンス侯爵家のみならず、国家をも揺るがしかねない災禍が終息して二年。流行病は完全に終息したものの、かの災禍から免れた一粒の命を巡り、散々騒動が巻き起こったが、そろそろファルカンス侯爵家も落ち着きそうだった。少なくとも、当主が断りもなく数日留守にするような事態は起きないだろう。絶対に起きてはならない。当主代理とその補佐がどれだけ弁明を重ねても、さすがに二度目のお目こぼしはない。
　バラグスト帝国ディグザード朝第六代皇帝アーヴィング陛下は、歴代随一と謳われるほど優れた先見の明のあるお方だ。先見の明あればこそ、側近の無断欠勤、音信不通について、一度はお目こぼししてくださったが、二度目はないと、厳しく念を押されたのだ。
　皇帝陛下の側近代理補佐――当主の失態の責任と変わらぬ忠誠を示すための人質として宮中へ出仕し、当主の復帰により信用を取り戻し、ようやく宮中での連勤から解放され、今夜こそ私室...]]></content:encoded>
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      <title>狸と小先生 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41966</link>
      <pubDate>Sun, 23 Aug 2026 19:17:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　連日の過酷な勤務で過労死寸前と診断され、三連休も与えられたカロトンは、連休最終日、ファルカンス侯爵邸の養育施設を訪れた。初日以外顔を合わせておらず、人伝に話を聞くことしかできなかった、大切で特別な子供の様子を見るために。
　その子供が『ナルク』だった時から、カロトンは殆ど関われなかった。否、関わろうとしなかった。他に手立てがなかったとはいえ、毒となる注射を打つことに協力した身だ。必要以上に関わろうとせず、ただ遠目に姿を確認し、兄からどんな様子で過ごしているか聞くだけで、距離を置いていた。今となっては後悔している。
　かといって、その子供が『ナルク』ではなく『ザイシュ』になった後も、どう接すればいいのか解らず、殆ど関わろうとしなかった。否、関われなかった。ナルクが執務室の書庫を荒らした夜、侯爵様どころか家令も護衛長もウィリー医師も勢いよく飛び出して行き、取り残されてしまったカロトンは、方々...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>療養宴会 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41965</link>
      <pubDate>Sun, 23 Aug 2026 19:15:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ザイシュをファルカンス侯爵家で引き取り、十日が経った。今夜はザイシュに関する近況報告会が開かれる。表向きは、連日の騒動で疲弊しきった者たちの診察及び療養となっている。普段使われていない西塔が集合場所となった。傷病者の隔離のために使われる建物であり、今は傷病者がいない――というより、過労死しかねないほど疲弊しきった者たちには交代で休暇を取らせている最中だ。
　我らがかわいい才児は油断も隙もないので、こっそり忍び込まれないように、西塔のあちこちにはウィスキーを注いだ酒杯を置いている。酒嫌いなザイシュのことだ、忍び込もうにも、つい、『にょえぇーっ！』と愛らしい叫び声を上げてしまうだろう。もう一度あの『にょえぇーっ！』という反応を見てみたい気もするが、かわいそうなので、今夜は養育施設でおとなしく過ごしてほしいものだ。
　ウィリーは医師としての勤務時間を終えており、患者――という名目のザイシュの保...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>窮地 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41964</link>
      <pubDate>Sun, 23 Aug 2026 19:14:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ファルカンス侯爵家は、今、何度目かの窮地に陥っている。

　国家を揺るがすほどの恐ろしい流行病が領地の一つで発生し、その拡大を喰い止めるために、当主様自ら現場へ赴いて指揮を執り、この災禍を終息させた。皇帝陛下も称讃されるほどの偉業だ。それは疑いようもない。
　その一方、当主様が留守の間、跡継ぎであられるお嬢様が当主代理として日常の業務を執り行っていた。その補佐に当たられたご子息様の存在も大きい。ファルカンス侯爵家が一丸となって、国家を揺るがすほどの災禍を終息させた――

　――などと甘いことを仰らないのが、当家のお嬢様だ。亡き母君によく似ておられるらしく、この上なく慈愛深いが、責務に関して個人の感傷など挟まぬ現実主義のお方だ。御年二十歳、次代の側近として、皇帝陛下にその実力をお認め賜るほど優秀なお方だ。
　さて、この優秀なお嬢様は、今、お父君である当主様並びに家令、家令補佐を執務室へ呼び...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>子供の国 - 孤児記</title>
      <link>https://beGriff-obServer.kashi-hondana.com/author/page/3329/section/41963</link>
      <pubDate>Sun, 23 Aug 2026 18:07:00 +0900</pubDate>
      <description>むかーし昔、チョット昔――

懐かしい声が聞こえてきて、『観測者』はよそ見をする。

神話の続きを待つ間、『彼』と『彼女』以外の物語を観測してみよう。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　今日はどうもお客さんが多い。護衛長とウィリー医師がザイシュを連れてきた。『座椅子職人のザイシュ』の歌でザイシュの疑問は晴れたように見えたが、護衛長とアズロスの『アジアードの息子アズロス』発言で引っかかってしまったらしい。護衛長が助けを求める視線を送ってきたので、ランディは即興で『小豆のアズロス』の歌を拵え、『親』と『子』の定義を曖昧にすることに成功した。そうしてみんなで楽しく、歌って踊っていると、次から次へと観客がやってきた。
　ここ数日屋敷で寝泊まりしながら仕事をしていたカロトンが、隈が濃くなりすぎて狸のような顔でやってきたので、ランディは適当に『烏瓜から生まれたカラスン』と紹介した。まあ、ここまではいつもどおり、子供たちは何の疑問も抱かず、ただ語感を楽しんでくれた。
　ところが、なんと、この屋敷のご主人様までやってきた。ザイシュが『侯爵様』と繰り返し、その単語にありったけの感情を込め...]]></content:encoded>
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